
こんにちは、まさゆきです。
(※派遣会社の労務管理である私のプロフィールはこちら)
今回の記事では、

会社を退社したいけど「自己都合」と「会社都合」の違いって?
そもそもパワハラやセクハラの退職はどっちなの?
という話しについてまとめてみようと思います。
退職を希望する方は、昨今、非常に多くなってきていますがその辞め方も注意が必要です。
これから会社を辞めたいという方や辞めざるを得ないという方は「自己都合」か、それとも「会社都合」になるのかを詳しく知ってもらえればと思います。
「自己都合」と「会社都合」の違いとは?

まずは「自己都合退職」と「会社都合退職」の違いの定義や退職後の待遇などを大まかに分けてみます。
【自己都合退職】
- 定義: 労働者が自らの意思で退職すること。例えば、転職、結婚、出産、介護などの個人的な理由が含まれます。
- 失業保険: 原則として、失業保険の給付開始までに2~3か月の給付制限期間があります2。
- 退職金: 会社によっては退職金が減額されることがあります。
- 履歴書の記載: 「一身上の都合により退職」と記載されます。
【会社都合退職】
- 定義: 会社側の事情で退職を余儀なくされること。例えば、倒産、リストラ、解雇、雇い止めなどが含まれます。
- 失業保険: 給付開始までの待期期間が短く、7日程度で受給可能です。また、給付日数が長くなる傾向があります。
- 退職金: 全額受け取れる場合が多いです。
- 履歴書の記載: 「会社都合により退職」と記載されます。
これらの違いは、退職後の生活や転職活動に大きな影響を与えるため、退職理由を慎重に確認することが重要です。
会社でのパワハラやセクハラは「会社都合」では?

では、ここで疑問なのは最近世間で話題になっている会社内でのパワハラやセクハラで退職せざるを得なくなった場合です。実はこの記事を書いている私も会社内でのパワハラが原因で退職した経験がありますから、この点については私自身においても非常に疑問でした。
今回、以下は私が調べた限り、会社内でのパワハラやセクハラが原因で退職せざるを得ない場合、原則として「会社都合退職」として扱われることが多いです。
「会社都合」になる理由
- 労働者の責任ではない: パワハラやセクハラは、会社側の管理不足や加害者の行動によるものであり、労働者自身の責任ではありません。そのため、「労働者の責任によらない退職」として会社都合退職が認められることがあります。
- 精神的・身体的苦痛: パワハラやセクハラによって精神的または身体的な苦痛を受けた場合、労働環境が著しく害されていると判断されるため、退職を余儀なくされたとみなされます3。
- 失業保険の特典: 会社都合退職の場合、失業保険の給付開始までの待機期間が短縮され、給付制限もなくなるため、労働者にとって経済的なメリットがあります。
ただし、会社がパワハラやセクハラを認めない場合や、離職票に「自己都合退職」と記載される場合もあります。この場合、ハローワークで異議申し立てを行い、適応障害などの診断書を提出することで「特定理由離職者」として認定される可能性があります👍
「退職代行サービス」を使うと「自己都合」?「会社都合」?

「退職代行サービス」を利用した場合、基本的には「自己都合退職」として扱われることが多いです。
退職代行サービスは、利用者の代理で退職手続きを進めるサービスです。そのため、通常は利用者が自ら退職を希望しているとみなされ、「自己都合退職」として処理されます😅
ただし、特定の条件を満たせば「会社都合退職」として認められる可能性もあります。以下の条件を満たす場合は「会社都合退職」として認められる可能があるので一度、弁護士に相談すると良いでしょう。
- 会社側の問題が原因: パワハラやセクハラ、給与未払い、長時間労働など、会社側に明確な責任がある場合。
- 証拠の提出: ハローワークで異議申し立てを行い、録音や診断書などの証拠を提出することで「会社都合退職」に変更される可能性があります。
- 弁護士対応の退職代行: 弁護士が運営する退職代行サービスを利用すると、会社都合退職の交渉が可能になる場合があります。
退職代行サービスを利用する際は、事前に証拠を集めたり、弁護士対応のサービスを選ぶことで、より有利な条件で退職できる可能性が高まります。
証拠ないパワハラ、セクハラは「自己都合」?

証拠がない場合でも、上司からの暴力が原因で退職せざるを得なかった場合、原則として「会社都合退職」として認められる可能性があります。ただし、証拠がないとその主張を裏付けるのが難しくなるため、慎重な対応が必要です。
会社都合退職として認められる可能性
- 証言や状況証拠: 同僚や第三者の証言、または暴力が行われた状況を示す記録(例えば、メールやメモ、動画の撮影、音声の録音)があれば、これが証拠として役立つことがあります。
- ハローワークでの異議申し立て: 離職票に「自己都合退職」と記載された場合でも、ハローワークで異議申し立てを行い、状況を詳しく説明することで「特定理由離職者」または「会社都合退職」として認定される可能性があります。
パワハラ、セクハラでも自己都合退職になる場合

証拠が全くなく、暴力の事実を立証できない場合、会社側が暴力を否定する可能性が高く、その場合は「自己都合退職」として処理されることがあります。
このような状況では、事前に弁護士や労働問題に詳しい専門家に相談することを強くおすすめします。適切なアドバイスを受けることで、より有利な条件で退職を進めることができるかもしれません。
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